日本画は国内だけでなく海外にもコレクターが多く存在し、世界中で愛されています。
日本画には、繊細な作業を好む日本人独自の驚くべき技法が数多く使われています。そんな日本画の技法を一部ご紹介いたします。
骨描き(こつがき)
写生した下絵に色を入れる前に必要な技法です。墨を使い輪郭線を引いていくのですが、日本画においては、「絵の骨格」とも呼べるこの骨描きが重要な役割を果たしています。単に下絵を「なぞる」作業ではなく、一から描くつもりで骨描きをすることで、生き生きとした雰囲気を表現することができます。
隈取り
隈取りは、ぼかしや濃淡を入れる技法です。日本画に立体感をつける効果があります。隈取りに使う専用の筆(隈取筆)はきれいにぼかすために、水をたっぷり含めるようになっています。隈取筆と、絵の具用の筆を使い作業することを「返し筆」と言うのですが、その返し筆で隈取りと絵具塗りを交互に繰り返しながら日本画を描いていきます。
隈取りには、陰影を表現する「かげ隈」や、対象物の外側をぼかし立体感を出す「外隈」などがあります。
技法を使い描くために必要な道具
日本画の技法を使って描く際には、様々な道具が必要です。基本的な道具は、和紙、和紙ボードパネル、筆、筆洗、水干絵具、胡粉、岩絵具、膠(岩絵具用の接着剤)、電熱器(膠を煮る際に使用)、膠鍋、ドーサ液、墨、すずり、絵皿、乳棒、乳鉢、スプーンです。これらの道具を上手く使いこなすことが、重要です。
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