日本画に欠かせない岩絵具

2024.08.18

コラム


 日本画
は、西洋絵画とは違う光と色の表現で世界から注目されている絵画です。

 ギャラリー風のたよりで販売している絵画にも日本で生まれた絵画らしい輝きを見ることが出来ますが、その「らしさ」を表現するために欠かせないものの1つが岩絵具ではないでしょうか。






岩絵具とは

 岩絵具とは天然鉱石を砕いた顔料で、中国から伝わってきたものです。
 例えば、天然石としても人気のアズライトは日本で藍銅鉱と呼ばれ、岩絵具の群青色としてよく用いられている色です。他にも朱色の原料である辰砂や、フェルメールブルーとしても有名な瑠璃の原料であるラピスラズリなどがあります。日本画では岩絵具を膠(にかわ)で練り着色していく方法が用いられていています。




様々な日本画に用いられてきた

 岩絵具は色々な日本画に用いられてきましたが、国宝級の絵にもその形跡が見られます。
 日本が誇る物語文学である源氏物語を絵巻物として表現した「源氏物語絵巻」には、藍銅鉱(アズライト)や緑青の原料である孔雀石(マラカイト)が絵具として使用され、今でも国宝として私たちの目を楽しませてくれています。



日本らしい光を表現する

 岩絵具は日本画らしい繊細な光を表現出来る画材です。
 虹の光には多くの色を含んでいるが、人間の目が捉えられる色は範囲が限られています。また、その光が着地した場所の化学構造によっては色彩として反射する色と吸収されてしまう色に分かれます。
 つまり、私たちが見ている色は目に見える光の反射とも言えますが、そう考えると日本画の中に見ることが出来る日本らしい色は日本らしい光によって表現されているとも言えるのではないでしょうか。
 そして、日本画らしい光の表現をするために、長い歴史の中で用いられてきた画材が岩絵具なのです。



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