版画技法解説1 リトグラフ(石版画)

2024.08.25

コラム



 版画には様々な技法があり、それぞれ独特な表現をすることが出来ます。こちらでは、その中の1つであるリトグラフについて、ご紹介いたします。お部屋に飾る美術品として版画の購入を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。



リトグラフとは

 リトには石という意味があり、その言葉通り石を使った版画のことをリトグラフといいます。水と油の性質を上手く使った技法が用いられており、石の版面に油分の素材で絵を描き、その上から薬品を塗ることで化学反応させます。
 その後、水を版にのせると、油分素材で描かれた部分は水が弾かれます。その部分にインクをつけて、刷り込むという技法です。リトグラフは他の技法とは違い平らな面を刷るので、平版ともいわれています。


リトグラフの特徴

 描いたものをそのまま刷ることが出来るリトグラフは、鉛筆や筆の繊細なタッチや滲みなど、自分が思い描いているイメージを正確に表現できるという特徴があります。


リトグラフの素材

 石で作られていたリトグラフは、現在でもその名残が残っており、石版画と訳されることもあります。今では様々な素材で作られるようになりました。その中でも特にアルミ板は多くの作家が用いる素材として知られています。以前はジンク版が使われていましたが、素材の軽量化が進んだことで石よりも労力を使わず、効率的に作品を生み出せるようになります。アルミ板の登場は、リトグラフという版画の芸術性を高めるキッカケになりました。



【WEBギャラリー・リトグラフ作品一覧】