版画技法解説2 シルクスクリーン(セリグラフ)

2024.08.27

コラム



 版画には様々な技法があり、それぞれ独特な表現をすることが出来ます。こちらでは、その中の1つであるシルクスクリーン(セリグラフ)について、ご紹介いたします。お部屋に飾る美術品として版画の購入を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。



シルクスクリーンとは

 型紙の技法が発展したもので、シルクなどの布を枠に張り、ヘラでインクをその布目から押し出すように落として刷る版画のことをシルクスクリーンといいます。紙はもちろん布地、樹脂、金属などさまざまな素材に刷ることが可能です。
 歴史は新しく、20世紀初頭に誕生したシルクスクリーンは、現在、Tシャツのプリントなど私たちの日常品にも多く使われています。


シルクスクリーンの特徴

 他の版画のインクに比べ発色が強く、定着度が高いため、鮮やかな色表現が特徴です。色と色の境界が明瞭で形のはっきりした鮮やかな作品になります。ポップアートの作家のアンディ・ウォーホールとロバート・ラウシェンバーグが多くの作品を発表し、芸術の表現方法の1つとして広く認知されました。


シルクスクリーンの仲間

 シルクスクリーンは、孔版の一種であり代表格で、孔版とは、インクが通過する穴とインクが通過しないところを作ることで製版し、刷る技法の総称です。孔版は他にも、画像の切り抜かれた原紙を紙や布の上に置き、その切り抜かれた部分からインクや絵の具を落として刷る『ステンシル』、原紙(ロウをひいた雁皮紙)に、鉄筆でヤスリの上から文字や絵をかく『謄写版(ガリ版)』が挙げられます。


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